ギャラリー

松田修 「オオカミ 少年 ビデオ」@無人島プロダクション

さすがはChim↑Pom所属のギャラリー(プロダクション)だけあってとても面白い作品群でした。だいたい、チムポムと同系統、みたいなイメージでいいかと思います。「オオカミ少年ビデオ」という名前通り、映像作品(及び付随する写真作品)と少しばかりドロー…

ジェラティン展 gelitin

絶対に面白い!オーストリア出身のアーティスト集団(4人)。ガゴシアン(ロンドン)などで個展を開催、数々のビエンナーレに出品など、超有名アーティスト集団ですが、面白すぎます。 まず、龍安寺を見立てたパフォーマンス。龍安寺の枯山水の岩。いや、あ…

田口和奈 そのものがそれそのものとして It is as it is

田口の写真に写るのはモノクロームで描かれた油彩だ。田口は様々な媒体から集めたモチーフをカッティングしてリミックスし、モノクロームの油彩として描く。そして、その油彩画を写真に撮る。田口が一番、神経を使うのは写真の撮影だそうだ。80年代以降、写…

遠藤一郎 Super Canvas

「未来へ」と描かれた黄色いバンで、車上生活をしながらひたすら公道を走り続ける遠藤一郎。遠藤はひたすら誰かにエールを送り続ける。「フレーフレー」と大きな声で叫ばれるその対象は、美術だったり俺らだったりするのだが、遠藤自身、その対象が本当に誰…

内藤礼 color begining

インスタレーションで不動の地位を築いている内藤礼。静謐の中に確かな存在を感じさせる作品を作ることができるのは、世界でも彼女だけではないかと思う。今回の展示で内藤は絵画を描いた。描いたというよりは、平面に絵具を使った作品を作った、といったほ…

リー・ソーユン So-Yeun Lee展

リーのポートレイトに描かれた少女には表情がない。さらに彼女の存在自体も浮遊しており、背景や服と人間が同時に、かつ同じ場所に存在しているようには見えない。彼女はポートレイト部分からできるだけ感情的な要素を排除して、人物に現実感と非現実感を同…

横田尚展

魚眼レンズで至近距離から覗いたように奇形した女と金魚。見られるために作られた人工的な肌。しかし、女の頬や手、お尻は赤くなっている。見られることを受け入れているのだろうか。それでも、女は平べったい無表情。恐らく女は私たちの視線にうまく対処す…

青山悟展「Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏」

近づいてみると何が描かれているのか分からない。青山は刺繍によってイメージを作り出す。刺繍であるがゆえに、距離を持ってみないと何が描かれているのか分からない。それは、点描を見るときと同じ状況だ。表と裏を行き来する糸によって創りだされたイメー…

安斎重男作品展「Unforgettable Moments」

安斎の写真はいつも優しい。それはアーティストを批評しない。アーティストを慰撫する。あまりにも有名すぎる登場人物たちに、嘆息せずにはいられない。ただ、それだけだ。安斎は写真家でアーティストでアート・アーキビストだ。安斎がこれらの呼称に全て当…

広瀬直子展

東北芸術工科大学修士課程を卒業した、日本画家の個展である。非常に素朴な出で立ちの作家は、東京出身だそうである。なぜ東北くんだりまで行ってしまったのかよく分からないのだが、修士まで勉強した日本画との相性は良い。もともと、岩絵具を好んでいただ…

坂本友由展

シンクにためられたイチゴの中で、キッチュなイチゴの帽子をかぶって涙する緑髪の少女。白いゴスロリ服を着て、布団の上に座る涙目の少女。坂本が描く少女は、フラットに見える。誰かに凌辱されたのか、少女はいつも涙目、あるいは涙を流しているのだが、髪…

内山菜保子×張替由利子

東京芸術大学日本画専攻の学生二人による貸画廊での展覧会だ。人気の名前トップ10から「子」の付く名前が消えて久しいが、二人とも名前に「子」が付けられている。日本画を専攻するような数奇者学生の生い立ちには、やはり古典的なものがあるのだろうかと…

田中功起「シンプルなジェスチャーに場当たりなスカルプチャー」

Simple Gesture and Temporary Sculptureガラス張りの壁に、段ボールがガムテープで張り付けられている。Aoyama Meguroを外からみると何が行われているのかさっぱりわからない。倉庫のようにしか見えない。ガムテープで張り付けられた段ボール。ギャラリーの…

うえだはるき「共鳴」@新宿眼科画廊

うえだの作品には、膝を抱えた円らな瞳の少女のモチーフが多い。少女の肥大したお尻には空虚な艶っぽさが感じられる一方、華奢な腕にはあどけなさが存分に表現されている。このちぐはぐな裸体表現の中には、二人の女性が描かれているのである。一人は少女。…